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Home > レポートライブラリ > 特集:バックナンバー > 2008.08.04 製品ライフサイクル分析A

特集:バックナンバー

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第6回:製品ライフサイクル分析A:バスモデルとその精度

 製品ライフサイクルに基づいた売上分析を行うには、モデル化が必要です。今回はこのモデル化の方法とその精度を取り上げます。

 以前にもご紹介したロジャーズの普及モデルは、カテゴリーが標準化されており、比較・再現・一般化が容易であるという特徴があります。しかし一方で、正規分布の仮定が強すぎること、およびカテゴリー別採用者比率がすべての新製品で同じという制限が強すぎるという欠点もあります。これについては様々な改良モデルが試みられましたが、バスのモデルが最も普及しています(酒井博章「普及モデルによる顧客細分化の実証」, 『オイコノミカ』第42巻 第1号, 2005年9月 より引用)。 バスモデルというのは、次のような数式で普及率をモデル化するものです。
 【Bassモデル】
  Bassモデル
この式で、F(t)は累積普及率、pとqはパラメータ、tは時間です。pは革新係数、qは模倣係数と呼ばれ、各々、あるイノベーションに関して最初に採用する革新者と、それを模倣して採用する追随者の比率を意味しています。なお、pとqはいずれも0と1の間の値を取ります。パラメータの推定は非線形最小二乗法を用いて行います。

 このバスモデルをカラーTVの普及という具体例で検証します。下図は1966年からのカラーTVの普及率を示したものです。

カラーテレビの普及率分析:普及率データ

カラーテレビの普及率分析:普及率データ

 このような普及率をバスモデルで予測しましょう。次の図は、全期間を予測したものです。

普及モデルの比較(カラーテレビの1966年以降の普及率推移)

普及モデルの比較(カラーテレビの1966年以降の普及率推移)

 立ち上がり時期については精度よく予測できています。また、バスモデルの特徴として、最大普及率時期など、製品ライフサイクルの時期を判定することが可能なことも大きなメリットです。実際のマーケティングでは、製品立ち上げから出来るだけ早い時期に、ライフサイクル全体の予測が出来ることが重要です。次の図は使用データの範囲の違いの影響を分析したものです。

カラーテレビの普及率分析:Bass曲線のあてはめ(使用データの範囲の違い)

カラーテレビの普及率分析:Bass曲線のあてはめ(使用データの範囲の違い)

 この図によれば、データ使用期間の違いによる結果は、区別が困難であるくらい非常に良く似ています。特に最初から4年間のデータを用いても、もっと長期間のデータを用いた場合と遜色がなく、全期間の予測が可能であることが分かります。この4年間というのは、前の分析によれば、初期多数者採用開始時期(言い換えると成長期)に入った時期です。このことは、製品ライフサイクルの比較的初期段階で、その後の予測が可能であることを意味しています。

(ITBPO株式会社 主席研究員 武藤 猛)

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