IT BPO とは

サービス

方法論

レポートライブラリ

セミナー・イベント

採用情報

Home > レポートライブラリ > コラム:バックナンバー > 2007.12.03 レセプトデータと医療ITの最新動向

コラム:バックナンバー

[コラム] レセプトデータと医療ITの最新動向

 高齢化に伴う医療費の拡大が進んでいる。政府のIT政策においても、医療費の適正化に向けたIT活用が重要な柱になるなど、医療の質を落とすことなく、医療コストだけを削減する取り組みが急務となっている。なかでも、レセプトデータのオンライン化は最重要課題のひとつである。そこで、数回にわたりレセプトデータにまつわる最新の動向を取り上げてみよう。今回は、レセプトデータのオンライン化の現状と期待される効果について説明する。

 診療報酬明細書(レセプト)とは、病院や診療所などの保険医療機関が、保険者(健康保険組合、市町村、社会保険庁)に対して医療費を請求するために用いられる書類である。保険診療の仕組みとレセプトの流れは次のようになっている。

保険診療の仕組みとレセプトの流れ

  日本は皆保険であるため、レセプトに記録された診療行為は国内の診療行為全体の大部分に相当する。その年間発行件数は18億件にも達している。2001年1月にスタートした国家的IT戦略であるe-Japan戦略でも、医療のIT化は重要な施策として当初から取り上げられてきた。その後、e-Japan戦略の改訂版として、2006年1月にIT新改革戦略が策定され、レセプトの完全オンライン化とデータベース化が医療ITの基盤に位置づけられた。
 IT新改革戦略では、2011年度までにレセプトの完全オンライン化が計画されている。病院、診療所、および調剤薬局は段階的にオンラインに移行し、2011年度には支払審査機関はオンラインデータだけを受け取ることになっている。厚生労働省によると、2006年7月現在のオンライン請求の比率は、病院が28.2%となっている。当然ながら、診療所ではこの比率がもっと低い。レセプトのオンライン化には電子カルテの導入が不可欠となるため、診療所が果たして計画通りオンライン化に対応できるかは、やや懸念がある 。

 次に、レセプトの内容を見てみよう。レセプトには以下のような情報が記載されている。

 @ 個人情報: 保険種類、保険番号、氏名
 A 診療機関情報: 保険医療機関名、住所
 B 傷病情報: 傷病名、診療開始日、転帰
 C 診療情報:
  1) 診療実日数、初診、再診、医学管理、在宅
  2) 投薬、注射、処置、手術、検査、画像診断
  3) (入院の場合)入院基本料・加算、特定入院料
 D 療養給付請求情報: 請求点数、請求金額
 E 食事生活療養請求情報: 請求点数、請求金額

 ご覧のとおり、レセプトには医療機関名・傷病名・薬剤名が含まれており、医薬品マーケティングにとって大変貴重な情報源である。一方、レセプトには個人情報も含まれているため、オンライン化のインフラ整備に当たってはセキュリティ確保に細心の注意が払われている。現在のところ、レセプトデータベースは健康保険組合や市町村などの保険者単位で構築されているに過ぎず、またその活用も始まったばかりである。しかし、オンライン化の完成とともに、医療費の削減や保健事業の推進など、多様な活用が期待されている。

(ITBPO株式会社 主席研究員 武藤 猛)

レセプトデータ分析による医療費の適正化→
コラム:バックナンバートップへ →